どっとこうMOTTO

電子書籍『After』(全2巻),BookLive!(http://booklive.jp/product/index/title_id/116980/vol_no/001),紀伊國屋書店(https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0012917)などで好評発売中。

政治の専門用語

統一地方選があった.その結果はまあ結果の通りだが,それよりも立候補者のコメントを見ていると,政治家が信用されないような理由がわかったような気がする.

それは,当選前の各候補者や政党担当者のコメントを聞いていて特に思った.あろうことか,だいたいどの候補者も政党も有権者の共感を得られたというようなコメントをしているのだ.もちろん全く得られないということはないだろうが,結果として全員当選することはあり得ないわけで,分析の甘い人もいるはずだ.

結果として負けた政党の分析が甘かったか,もともと立候補することに意味があることであって当選を目指していない人か,おそらくどちらかなのだろう.それでその反省が「時間が足りなかった」などといっていた様な候補者は落ちてよかったと心から思うわけです.だって,そんな事がわからない人に当選してほしくないからね.敗戦の弁はどうせなら,有権者は私の政策を否定したというように,冷静な分析をしてほしい.もちろん,なぜ否定されたのかを理解してほしい.そして次には勝ってほしいものだ.

そもそも「国民」(有権者)なんていう個人がいるわけでもない.正確には「多くの」「国民」なのである.一体誰が国民なのか,全員なのだろうか.ある政策をすれば,得をする人もいれば損をする人もいるはずだ.例えば,公共事業の削減なら,それに携わる建設業者が潰れてしまうという側面もあるはずだ.あなたのいう「国民」とはどういう人なのだろう.

さらに「無党派」も同じだ.外見だけの問題だ.中を見れば,民主党なり社民党なりの政策とどう違うのだろうか.なぜ無党派にしないといけないのだろう.既存政党はその意味を考えるべきだ.少なくとも答は自民党の不支持ではない.なら,自民党ではない政党に支持が行くはずだ.そうでもないから,無党派だ.まあ,その分析もできていないから無党派などというよくわからないことになっている.政党を否定しているのなら話は別だけど.

無党派立候補者のイメージもある程度は定着しているし,中を見れば,どの政党の色が出ているかはすぐわかってしまう.ボランティアや勝手連も本来はどのような類の人なのかはわからないはずだが,特定の政策を出している人のところにいるというイメージになってしまっている.

分析は無茶苦茶で,使っている言葉にも独特のニュアンスが付きまとっている.そのうち金を持っている男性なんて(私は金を持っていないが)国民でなくなる日が近いのかもしれない.政治にまつわる用語や分析の裏にある意味を我々はよく理解しないといけない.