どっとこうMOTTO

電子書籍『After』(全2巻),BookLive!(http://booklive.jp/product/index/title_id/116980/vol_no/001),紀伊國屋書店(https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0012917)などで好評発売中。

【せろん】リスクを負ってみて

会社で仕事をしていると,昼休みや定時後に保険の営業の人がやってくる.たいていは生命保険や自動車保険を勧めてくるのだが,個人年金も扱っている.僕は今日この個人年金に加入した.


この個人年金に加入する理由はいろいろである.僕のように,公的年金にプラスアルファを狙って加入する人もいるだろうし,あるいは年末調整を狙う人もいるだろう.なかには,公的年金は払わず,この個人年金で一本化する人もいるのだという.


個人年金の謳い文句に,国の公的年金が不安ですから,ということを盛んに訴える営業の人もいる.だけれども,こういう事を言う人は僕は信用していない.公的年金に不安がないかといえばそうではない.だが,その会社が国の保険より安全である,という保証はどこにもない.


国だろうが企業だろうが,運用が悪ければ,額は下がる.国の場合,単に運用が悪いからといって下がるということではないだろうが,払った額だけ戻ってくるかはわからない.*1それに対して,民間企業の年金の場合,破綻してしまったら,単純にもらえる額は激減するだろう.


保険会社の危機がいわれた時期があった.今もそうかもしれないし,これからまたやってくるかもしれない.この危機の原因となったのは逆ザヤである.さらに,この逆ザヤの原因はなんと個人年金にあるのだという.


個人年金それ自体は,保険会社にとって儲からない商品である.健康でいれば儲かる生命保険や,安全運転をしていれば儲かる自動車保険と違って,個人年金は,最後にはかならず,積み立てた額以上を支払わないといけない.だから,個人年金の契約数に上限を設けている生命保険会社もあるという.


安全でたくさん儲かる方法なんてないのだろう.結局どの程度リスクを負うのか,ということになってくるだろう.国のリスクは少ない.民間のリスクも現実的にはそこまで大きくないだろう.


国の年金のリスクは,実際少なくないのだろうが,国の年金ひいては日本国そのものが破綻するような状況では,日本円をためることにどの程度の意味があるのだろう,と考えると外貨を持っておくのが得か.この辺りになってくると,真剣にリスクを認識しないといけないだろう.僕はまだ素人でよくわからないから,今は手は出さない.


結局はどの年金やひいては金融資産を選んだとしても,自己責任の時代になってきているのだろう.ハイリスク-ハイリターンか,ローリスク-ローリターンか.


でも,一番大切なのは,信頼できる年金を選ぶことだろう.そして選んだ年金を信じることだろう.僕は国の年金を信じるしかないと思っている.僕は会社員で厚生年金に加入している.だから掛け金を給料から毎月引かれている.年金を信じられるように,一票を投じるし,景気に貢献できるように働く.それしかないのではないだろうか.だから年金を信じる.何事も他人任せではいけない.自分でできることをやっていくだけである.

*1:世代間の助け合いという意味合いがあるが,ここではちょっと置いておきたい.