どっとこうMOTTO

電子書籍『After』(全2巻),BookLive!(http://booklive.jp/product/index/title_id/116980/vol_no/001),紀伊國屋書店(https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0012917)などで好評発売中。

初版 熱海殺人事件

今回のメインイベントはこれ.
Keiさんの長崎での最後の演劇と聞けば,見に行かないわけにはいかない.
Keiさんとは大学時代一緒に舞台に立った仲.
今でもよく演劇やっていた頃を思い出す.
仕事でなかなかあの意識の持ち方を再現しきれないのが辛い.


とはいえ,それももう3年も前のこと.
『初版 熱海殺人事件』では,その時と毛色が違っていて,意外だった.
悪いとか,そういうことじゃなくてね.


個人的な話はさておき,率直な感想.
1度見ただけじゃ分からない.3回公演があるのだから,3回見るべきだった*1
演出が悪いわけではないのだろう.それだけ人間は複雑ということなんだろう.


何かに対してレッテルを貼って単純化することはよくあることだ.
だけど,そのレッテルは本当にそうなのだろうか.
単純化してしまって,そのレッテルの奥にある何かを見失っていないだろうか.


登場人物はわずかに4人.だが,彼らには幾つもの顔を持たされる.
その顔がいつの間にかに入れ替わっている.若干の混乱もあった.
とはいえ,その一つひとつにレッテルを貼るのはとても簡単.


正直言って,途中,わずかに飽きる場面もあった.
事件の進展もなければ,それぞれに固定されたラベルを
ただ眺めていればいいという部分だ.


だが,最後に近づくにつれ,ラベルを変える,
いや統合すると言った方がいいのだろうか.
混乱のようなものが線につながる,まさに解決するのだ.
これは気持ちがいいことだ.


でもこれはなんてことはない.自分がはじめにキャストに対して思った考えが
あまりに単純すぎただけのことだったのだ.
人間とは,複雑で,奥が深い.この作品はそのことを教えてくれる.
だから3回見る必要があったのだ.そんな気がする.


Project-tact
http://www1.cncm.ne.jp/~keitake/


最後に.お疲れ様.新天地からの公演の連絡を待っています.


追伸
ハナちゃんの持っていた花のボールペンがなかなか良かったです.

*1:1回目の公演を元に書いています