どっとこうMOTTO

電子書籍『After』(全2巻),BookLive!(http://booklive.jp/product/index/title_id/116980/vol_no/001),紀伊國屋書店(https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0012917)などで好評発売中。

「脳」整理法

整理整頓の本を読んでみたいと思った.
で,手に取ったのがこの本.裏切られました.まあ,いい意味で.
整理をしていると,思いがけないモノが出てきて,
思い通り整理が進まない,だけど満足.そんな感じです.


半ば偶然,半ば必然に起こる「偶有性」をキーワードにして展開されている.
「神の視点」*1とか,「セレンディピティ*2とか,ネガティブな感情とのつきあい方とか,
科学の大切さとか,引用したい部分もたくさんあるけれど,
そればっかりで終わってしまうような気がするので,ひとつだけ.

魂を揺るがすような作品に出会ったとき、私たちは「やられた!」と思います。身体の傷が時間をかけて癒えていくように、その作品が脳の中に残した痕跡が、ゆっくりとした時間をかけて受容されていくことこそが,芸術が私たちに促す自己変革のプロセスなのです。

そう,「すごい」,じゃなくて「やられた!」「そう来たのか」なんだよ,
一時的な熱狂の時期を過ぎて,良いところ悪いところが見えるようになる.
そうやって不完全ながら受け入れていくんだよね.


「脳」整理法 (ちくま新書)

「脳」整理法 (ちくま新書)

*1:あるいは「世界知」「生活知」などは,作品世界を構築するときにもぜひ意識しておきたい.そして本文でも語られているけれども,それらをつなぐ「私」も.

*2:セレンディピティ」も,よくできているような,奇跡的なストーリーにリアリティを添えている場合が多い.