一瞬で信じこませる話術 コールドリーディング
この本は衝撃的だ.「どっとこう総見」*1で言っていることは,
つまるところ,「コールドリーディングしてくれる物語と出会うためには」
ということで置き換えることも不可能ではないのだ*2.
もっと言えば,どこの馬とも分からない物語に,僕をコールドリーディングしてほしい,
ということなのだ.
「どっとこう総見」でさかんに言っていた共感とは,
相手と気持ちを分け合い,理解し合うことであるが,
究極的には自分との相似を探す作業である.
その登場人物が出てくる物語は自分のための物語に他ならない.
そして,共感した相手との重要な意味ある差異には,自分の行先が隠れている.
物語の登場人物には,「自分」の未来を暗に期待しているのだ.
この本には,作るための「技法」にも触れられているので注目.
さてさて,「どっとこう総見」の話はともかく,
この本は良い人間関係を作るためのいろいろなテクニックを紹介している.
なるほどと納得できるものもあれば,う〜んと思うものもある.
たとえば「Me」タイプと「We」タイプの話で,
自分がどちらなのかが分からない.どちらの側面も確実にある.
それはそれでいいと本文に書いてあるのだけど,
どちらの割合が多いのかもわからない.これは自分の観察力がないからなのか.
わかる人がいたら教えてください.
ズバリと食い込むことはなかなか難しいかもしれないけれど,
入口としては幅広く使えそう.覚えて使いこなせるかどうかは…だけどね.
- 作者: 石井裕之
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: 単行本
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*1:上で取り上げた『仕事ストレスで伸びる人の心理学』でも紹介したけど念のため. http://llllll.s18.xrea.com/x/column/index.html
*2:これに加える点があるとすれば,のところで取り上げたコントロールを軸としたメディアの違いだろう,