熱闘のハンドレットゲーム
好きな作品の多くは面白い.楽しい.だが,この作品はそうではない.
読むと,怒りに似た感情を覚えることさえ,ある*1.
この作品からの「パス」はものすごく正確だ.
「煽り」には簡単にのってしまっている.
思わず自分のことが書かれているのではないかと思うくらいだ.
発想・思想にものすごく共感できるし,
問題提起も信じられないくらい「適切」だ.
もちろん,高校生ではないし,アメフトをやるわけではない.
自分のことが書かれているのではないかと思うその反面,
自分と明らかに決定的に違う場所が必ずある.
そして,この作品は厳しい.
登場人物の多くはそもそも「超人」みたいな人ばかりだ.
そんな彼らが一生懸命にやっているとしたら,自分はどうすればいいのだろう?
作中の人物に発しられているが,そうではない自分はなおさらではないのか.
そもそも,この作品は物語だ.
あり得ないながらもそれなりの統制された環境の中で繰り広げられている.
そう,彼らは基本的に恵まれているのだ.
作中に時々恵まれていない登場人物や場面が登場することもあるが,
その場面が一層恵まれている彼らの状況を強調させるのだ.
と,長い前置きだったけど,
今まで朧げながら思っていたことが,この本を読むとはっきりした.
ここで重要なのは,彼らの環境を妬むことではない.
彼らの応援団であり続けたいのではない.
舞台は違うけれど,彼らと「決勝で会」いたいのだ.
彼らとは違う別の方法を探らないといけないのだ.
そのために彼らと決定的に違う点があるのだ.
そのための方法をまだ見つけていないけれど.
アイシールド 21 ?熱闘のハンドレッドゲーム!? (JUMP j BOOKS)
- 作者: 村田雄介,稲垣理一郎,映島巡
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/05/26
- メディア: 新書
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
*1:id:futagawakou:20051221 にも似たようなことを書いているけどね.