どっとこうMOTTO

電子書籍『After』(全2巻),BookLive!(http://booklive.jp/product/index/title_id/116980/vol_no/001),紀伊國屋書店(https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0012917)などで好評発売中。

ナチュラル

実はこれも溜め込んでましたシリーズ.
なんと,去年の冬に,プラネテスの単行本を貸した代わりに
会社の上司から借りたDVD.


そんな事情はさておきとして,この映画の感想を.
と言いたいんだけど,その前にちょっと釈明を.


このDVDには本編の他に,映像特典として,
メイキング・ドキュメンタリーが収録されている.
この映像が非常に秀逸.というよりも,
ドキュメンタリーを見る前と後で感想を大きく変わってしまった.
自分の浅はかな見方を大いに反省した.以下,見た後での感想.


平たく言えば,才能ある野球選手が途中で事件に巻き込まれてしまい,
35,6でやっとデビューし,奇跡の「復活*1」を成し遂げる話.
話は読めるが,そんなことをしても,
多くの話がそうであるように,ほとんど意味がないだろう.
そこに至る主人公のロイの軌跡を追うことこそ,この話の楽しみだ.


実写にしては,ややわざとらしい気がした*2
さらに,単純でベタな印象さえ受ける.残念ながら,二項対立的な関係もある.


二項対立を持ってくると,多くの場合,相手の悪がより引き立つのだが,
この作品は少し違った.確かに,悪は引き立っていないわけではないのだが,
それでもなお,ロイの行動に感動してしまった.
差し引いても,余りあるものがある.


できれば,ドキュメンタリーなしでぐいぐい引き込んでほしかった.
まあ,先人の知恵はそれ自体に価値があり,
僕はまだまだなのだから,仕方がないのかもしれない.


正直,半年も寝かしていたくらいだから,
あまり期待していなかったのだけれど,意外にアタリだった.


お勧め度:★★★☆☆+★
※単品で★3つ,ドキュメンタリーとセットで★4つ.

*1:「デビュー」という言葉の方が正確かもしれない

*2:監督も認めている