どっとこうMOTTO

電子書籍『After』(全2巻),BookLive!(http://booklive.jp/product/index/title_id/116980/vol_no/001),紀伊國屋書店(https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0012917)などで好評発売中。

「日本」チーム

どこかの政治家が日本の選手の髪についてなんか発言したらしい.彼の指摘の真意はどこにあるかわからない.この発言に対して「では,政治家はどうかと」というコメンテーターもいたそうだが(聞いた話なので真相はわからない),そう簡単にステレオタイプ的に政治家=悪という図式に持ち込めるほどばっさりできるようなどうでもいい問題ではないと私は考えている.

それはどういうことかというと,「日本」チームって何?という疑問である.法律的な意味で日本人のみで構成されているチームなのか.これは違っているだろう.監督からして違っている.日本でプレーしているチームなのか.これも違うだろう.ヨーロッパで活躍していたりする選手もいるし,反対に日本チームではないものの日本でプレーしている選手だっている.別に私は極右のように非日本的なものを排除しないといけないと考えているわけではない.日本の根拠が揺らいでいるのではないだろうか.

例の政治家をかばうとすれば,日本の古い根拠を守ろうとしたのかもしれない.もちろん,日本が髪の毛だけで定義されるとすれば,悲しい限りである.ただ,髪の毛はちょんまげでなくても黒い毛であることは特徴のひとつである.ただ,現在は若者に限って言えば,おそらく染めていない方が少数派である.染めていて当たり前になった.そういう意味ではあのカラフルな選手達は現在の日本の新しい根拠なのかもしない.余談だが,髪型はともかく,髪を染めているのは日本と韓国の選手が多いように思える.どちらも髪の毛は黒い.黒い髪の毛は格好が悪いのだろうか.それとも外国的なものにあこがれているのだろうか.少数派の私にはよくわからない.

ただ,ひとついえるのは国際交流は日本を捨てることではなく,日本に付け加えていくことだ.私は日本を捨てる方向にしか進んでいない気がしてならない.どこかの餌食になっているような気がしてならない.コアなしに真似てもプチ○○しかできない.よく,サッカーはお国柄が表れると聞く.日本はどこにあるのだろう.あまりサッカーを知らない私には見当もつかない.多く日本人が応援しているチームがもっとも適切な答かもしれない.

ひょっとしたら,日本なんていう概念を考えている私が古いのかもしれない.日本の殻を破って行くのが当然の世界かもしれない.日本人はどこへ行こうとしているのだろうか.どこも行かないで拡散でもしてしまうのかもしれない.それがいいことなのか,悪いことなのか.今はよくわからない.ただ,おそらくマスコミはこぞっていいことだと言うのだろう.先のコメンテーターとしてはいいプレーを見せてくれれば髪の毛なんて関係ない.そして政治家はもっと仕事を,と発言したに過ぎない.政治家はどうかは知らないが,前半部は正しいと思う.

でもでも外国に対して日本があるわけで,外国は自国のアイデンティティを持っている.イタリアの選手が国歌を歌わなくて大ブーイングだったという.歌詞の内容がどうやら問題のようだが,ブーイングをした人は国歌がアイデンティティだと思っているのだろう.それが良いことかどうかはわからない.ただ,「日本」チームで日本を冒涜したと思われたり報道されたりするような行為はおそらくないのだろう.ひょっとしたらあるのかもしれない.チームプレーの中に織り込まれているのかもしれない.知っている人がいたら,ぜひ教えてほしい.

あんなに日本が一丸になっているのに,日本がいまいちよくわからない.日本らしさってどういうことなのだろう.反対になくしてどうなろうというのか.サッカーに限らず私たちが応援していく日本についてよく考えた方がいいのではないだろうか.特に日本の評価されているところがわかっているのだろうか,生かしているのだろうか.そんなことを私は考えていた.

はじめに
このコラムは『ああ言えば項言う』の硬派版です.この結論のうちのいくつかが私の作品へと姿を変えます.まさに底流,裏側.不定期ですがときどき考えていきたいと思います.よろしくお願いします.