どっとこうMOTTO

電子書籍『After』(全2巻),BookLive!(http://booklive.jp/product/index/title_id/116980/vol_no/001),紀伊國屋書店(https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0012917)などで好評発売中。

9.11テロに想う

私はその日の日本時間午後9時頃,所属していたサークルの飲み会に参加していた.この飲み会で私は大変なことになっていた.酔って,歩けないくらい酔って,私が立ち上がって,トイレに行こうとしたら,その場に倒れてしまった.幸いなんともなく目覚めたが,友人や店員は救急車を呼ぶことまで考えていたという.その後何とか家に帰ると,家のベッドですぐに寝た.何かできるような状態ではなかった.救急車,寸前である.この日が2001年09月11日である.

次の日の朝,何とか体は無事であった.思ったより二日酔いも少なく,友人達とそして若さに感謝した.私はいつものようにテレビのスイッチを入れた.そして映っていた映像は,あれである.飛行機がビルに直撃していく.まだ酔っているかと思った.ひょっとしたら,昨日の酔いで,どこかの世界に飛ばされてしまったかとも考えた.しかし見れば見るほど考えれば考えるほど現実なのである.まあ,現実が入れ替わってしまっていてそれに気づいていないというのもどこかファンタジーぽくって何ともいえないものがあるのだが.

さて,このテロ,現在もいろいろとあるみたいであるが,「同時多発テロ」と呼ばれているが,お分かりの通り,日本でもあった.まさに時同じにして.日本でのテロはマスコミは一切報じなかったが,一人の無垢な青年(?)が飛行機ハイジャックではなく,酒で被害にあった.しかし,これは同時多発である点だけが等しく,もう問題は解決している.しかも超(!)平和的に.原因はグローバル社会にもアルカイダにでももちろんなく,酒は早いが食べ物が遅いサークルで使った飲み屋か,酒の酔いは早いくせに飲みまくっていた私のどちらかである.周りの人に聞くと圧倒的に後者ばかりなのだが…対策として酒を飲む量を控えているのが,まあ,現在である.

当日の話はこれくらいにしておきましょう.当時の私はメルマガ連載の小説のほかにもうひとつプロジェクトを進めていた.それが「維新クドラデンドス物語」というゲームだった.この話のはじめに,主人公達が宗教的なテロを仕掛けるところから始まる.それであの実写である.私が創ろうとしていたRPGツクール2000のゲームに比べればあのテロははるかにリアルである.しかも現実である.それまでは言われてもFF7位だと思っていた(FF7はよいゲームであると思っている).

私は「維新クドラデンドス物語」を創る力を失くしてしまった.結局その後挫折してしまった.もっと現実を見て,(グラフィック的にではなく)リアルなつくりにすることが必要だった.そうだったのかもしれない.今にして思えば,直接的ではないかもしれないが,他のゲームでもテロ事件とその後の意識をさせるようなものはある.そういうものと対決していかないといけないのである.

果たしてそうだろうか?確かにそうすればよいものはできるかもしれない.しかし,現在に至るまで私は連載のメルマガ小説以外全く作品を創っていない.私のゲームは評価されていない.されようがない.それは良くないことなのではないだろうか.出さなければ,何も始まらない.私はそれ以後も細々と創ることはなかった.創っていれば,話は違う.私が創ろうとしたものはあのテロ事件そのものではない.だから結局何もしていないのに等しい.

おそらくあのテロ事件の影響のうちのにあのテロを見てやる気をなくした人が多いのではないだろうか.私のような人はいないとしても,間接的な形でやる気を失くすことはあったはずだ.経済の例を挙げるまででもないだろう.そしてテロ事件から回復するにはそれをやり遂げようとする意欲が必要なのだろう.意欲がないのはしょうがない.何かに理由を付けるのはとても簡単なことである.テロを理由にして酒を飲みすぎてはいけないのである.テロと酒は無関係なのである.テロとゲームが完成することとは無関係なのである.我々は無意識にかもしれないが,テロを言い訳にしているのではないだろうか.

そして,テロ以外のものでも同様なのだろう.私は今度新しい企画を作り,実行することに決めた.それはゲームではないが,「二川項の就活日記」というメルマガである.そろそろテロ事件から自立するときが私には来た.さてあなたの場合はどうだろう?

ただ,気をつけなければいけないのは,逆にまた,何かする時にテロを使っているのではないだろうか,ということである.おそらく就活日記は残念ながらテロを使ってしまったのだろう.こうやって書かなければよかったと,少し後悔している.